文:奈浦 勉/撮影:ノブヒサ・ムラオカ
"ヨレヨレのレインコートにチビた安葉巻、鳥の巣のようにモシャモシャの髪…"
刑事コロンボを描写するには、彼のコートや車と同じくらい使い込まれて、
もはや"ヨレヨレ"になったフレーズだ。
しかしコロンボを演じるピーター・フォークの家は、といえばご覧の通り。
青い空に映える白い壁にバルコニー、きれいに刈り込まれた芝。アーチ型の玄関口の上には、
明かりとりの小窓までついている。
コロンボの設定からは想像できないくらい、清潔でシンプルな建物だ。
残念ながら今回はフォークの許可がおりず、邸内の撮影はできなかったものの、
おそらく中もきちんと整頓され、趣味のいい骨董や、革で装丁された本が詰まった本棚が
並んでいるのだろう。
写真を撮影したのは、今やハリウッド・スターのエージェントから引っ張りだこの日本人カメラマン、
ノブヒサ・ムラオカ。
「見学中、何台かのツアーバスが立ち寄っていましたし、TV局の撮影クルーも居ましたので
間違いは少ないと思います。家の前に表札があるワケではないので
絶対の自信がありませんが・・ (^_^;」
と、撮影時の状況を控えめに語ってくれた。
「コロンボの設定からは想像できない」と書いたが、じっとこの写真を見ていると、
確かにドアを開けてコロンボが出てきそうな気がしてきた。
ただし道に出るかでないかのうちに、忘れ物でもしたように引き返し、玄関口でこう言うのだ。
「すみません、もうひとつだけ…」
場所はハリウッドのスターや大物が住むことでも有名なビバリーヒルズ、
ロックスベリードライブの1004。
(文中敬称略)
この記事は(一部を除き)フィクションです
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…てなわけで、村岡さんからいただいた写真をもとに、記事風に構成してみました。
下の写真も村岡…じゃなかった、「ノブヒサ・ムラオカ」氏の手によるものです。
ロス市警 外観